2013/07/25

見守る保育

「見守る保育」とは…
(ちょっと長いけど、ぜひじっくり読んでみてくださいね。)


はいはいからつかまり立ちへ、つかまり立ちからひとり立ちへ、そして伝い歩きへとつながっていく発達過程は、自然な発達過程です。その発達を保障するためには、それができる空間を用意しなければなりません。加えて、それぞれの発達過程における「心情」が満たされるためには、子ども自身に「意欲」がなければなりません。「何かを取りたい、触りたい、抱っこされたい」などの気持ちがあれば、そこに向かって赤ちゃんははいはいをします。「意欲」があってこそ這うという「態度」が生まれるのです。その流れが、保育所保育指針で言われる「心情」「意欲」「態度」です。

保育者は広い場所さえ用意すればいいのではなく、赤ちゃんがはいはいしたくなるような環境を用意しなければならないのです。そしてその環境は、その子が今できることより少しだけ背伸びの必要なものであることが大切です。例えばものを取りたいと思うときにはその子が到達できる地点より少し先に欲しいものを置いておくとか、保育者に抱かれたいと思えば少し離れたところで抱くために待っているようにするのです。その子の発達をよく見て、その子の発達の少し先に課題を置くために、発達過程を理解することが保育者の専門性のひとつです。

また、保育者自身も子どもにとっての環境のひとつとしての役割を担っています。子どもが大人との関わりを求める何らかのサインを出したときには、必ず気づいてこたえなければなりません。そのために保育者は子どもに密着するのではなく、いつも少し離れたところで「見守る」必要があります。子どもが欲していることを「やってあげる」のではなく、かといってただ「見ている」だけではなく、ひとりひとりの子どもの発達過程をしっかりと「見て」、しっかりと「守る」、そして発達に応じた適切な「援助をする」。それが「見守る保育」です。